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私たちはけんかをしません。
けんかの時間は私たちには
無駄以外の何物でもない。
 
「けんかするほど仲がいい」
そう昔から言うように、
けんかしても仲のいいカップルもいます。
「けんかしないカップルって
 いつか不満が爆発して破局しそう」
なんて言う人もいますがそんなことありません。
私たちにとってけんかは
親睦のツールではありません。
けんかをしなくても
自分の気持ちを伝えることができるから。
 
けんかの理由は
突き詰めれば承認欲求だと思います。
「私のことを理解してほしい」
「私の意見に従ってほしい」
「私が怒りを解消してほしい」
「私のさみしさをわかってほしい」
「私のことを優先してほしい」
 
最近けんかした方はいますか?
理由を思い出してみてください。
約束を破られた、家事に非協力的、
頼んだことをやってくれてない、
待ち合わせに遅れるのに連絡をしない、
いろいろな理由がありますよね。
でもどの理由も根底にあるのは
「自分をないがしろにされたこと」
で発生した怒りだと思うんです。
 
例えば約束を破られたとき、
埋め合わせプランを
熱心に提案してくれたら。
頼みごとをやってもらえなかったとき、
催促したらすぐにやってくれて
「他に何かある?」と聞いてくれたら。
デートに遅刻されたとき、
相手が正当な理由とともに
きちんと謝ってくれたら。
どんな理由があったにせよ、
「ごめんね、あなたをないがしろに
 したかったわけじゃないんだ」と
しっかりポーズを取ってもらえていれば
けんかにならなかったのではないでしょうか。
 
私たちはけんかをしないけど
相手の言動でむっとしたり
嫌な気持ちになることはあります。
でも怒ったところで
お互い嫌な気持ちになるだけ。
じゃあどうするのか。
 
一度冷静になって
「何に怒っているのか」
「何が気に入らないのか」を言語化します。
例えば先日、大河さんが
「仕事後に友だちと会ってくる」と言って
何時に帰るのか教えてくれないまま
午前1時に帰ってきたとき。
 
何度か「まだ終わらない?」と連絡するも
返事は「まだ終わらなそう」。
終わる時間がわからないことある?
と嫌な気持ちになっていきました。
時期的に家にひとりでいることが
妙にさみしい日だったからいらいらもする。
そのまま帰宅予定がわからないまま
帰ってきたのは夜中の1時前。
「さすがにちょっとどうかと思う」
と小言を言ってその日は就寝。
 
翌日、昨日のことを思い出して
「何が一番嫌だったか」の言語化をしました。
帰宅予定時間をもらっていればよかった?
0時には解散していてほしかった?
それとも他の理由がある?
昼いっぱい使って考えた結果、
「帰宅時間がわからないことがいや」
なんだと気づきました。
 
私にとって「帰宅連絡=当たり前」。
大河さんは一緒に暮らしてからは
「今日は帰るの少し遅いかも」
「今会社出たよ」
「会社の飲み会は22時解散の予定」
と、かなりまめに連絡をくれていました。
お互いが実家で暮らしていたときも
帰宅予定を連絡しあっていました。
 
帰りが遅い日に限って連絡がなくて、
0時になってもお店を出てないらしいし、
しかもそんな日に私はさみしいし、
といろいろが重なって
自分のことが後回しにされていると
感じたのだと思います。
 
大河さんが帰ってきてから
そのことを落ち着いて、
柔らかく伝えました。
大河さんは理解を示してくれて
「わかった、それについては気をつける。
 僕も少し考えたんだけど、
 『まだ終わらない?』って聞き方だと
 今回みたいに「終わる、終わらない」で
 答えてしまうと思う。
 だから『何時に終わる?』って
 聞いてもらえれば
 帰りの時間を答えられたと思う」
「それ先に言ってよ~。
 次から私も気をつけるね。
 今日は仕事おもしろかった?」
これで終わり。
 
怒らないし、声も荒らげない。
でも自分の気持ちはきちんと伝わって、
大河さんも自分で考えた
問題への解決案と一緒に
「気をつけるね」と本気で言い、
私にも今後どうしてほしいかを
きちんと伝えてくれる。
 
がむしゃらに
「私は今怒っている! 謝れ!」と
叫んでも誰も聞いてくれませんし、
ただ謝ってもらうだけで
怒りが落ち着いたことはありますか?
あなたが何に怒っているのかを
相手に伝え、ふたりでよくしていかないと
あなたは一生同じ理由で怒り続けます。
 
けんかなんかしなくたって
自分の気持ちは伝えられる。
むしろけんかなんかしない方が
相手に真摯に伝わっていく。
 
「パートナーとけんかばかりでもういや」
そう思っている方がいたら
自分の気持ちをもう少ししっかり見てあげましょう。
そしてあなたが何がそんなにいやなのかを
しっかり相手に伝えてください。
「察してよ」と他人に言う前に
自分で自分のことを
察してあげてください。
 
紗季
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